タイ語について
タイ語は、タイ王国の公用語であり、国内で広く使用されています。13世紀にラームカムヘーンにより、クメール文字(カンボジア語)を基に作られた文字が現在のタイ語となっています。
主にタイ国内で使用されている言語ですが、隣国ラオスの言語とも似ており、ラオスの首都ビエンチャンでもタイ語を理解できる人が多くいます。
タイ語の声調
タイ語を勉強する日本人にとって、最も難関なのが声調です。
タイ語には平声(-)低声(⤵)下声(↷)高声(⤴)上声(⤻)と5つの声調があり取得するには文字の上にある声調記号を理解しなくてはいけないのですが、何となく耳で覚えた発音でやり過ごしている方が多いのが現状です。
日本語は発音が多少違っていても単語が正しければある程度通じますが、タイ語の場合は発音が違うと通じない場合があります。
タイ文字について
象形文字のような特殊な字体をしており、外国人にとって非常に学習するのが難しい言語のひとつです。
在タイ歴が長く、タイ語を上手に話せる人の中でも読み書きは全くできないという人が多くいます。
タイのお店や道路標識には英語やアルファベット表記もあるので、タイ文字が分からなくても実際に生活する際に不便なことがないのも理由の一つと言えます。
タイ語フォント・行間・改行・文章の長さ
タイ語の場合、フォントの選択は最も重要事項となります。
タイ語に対応していないフォントを一度選んで変えてしまうと文字が抜けてしまったり、声調記号の位置がずれたりという問題が起こります。この声調記号がないと意味が通じなくなってしまうので、タイ語をよく理解していない翻訳会社を選んでしまうとこの様な問題が生じます。
また、タイ語は日本語の様に句読点がなく、普段からひらがな・カタカナ・漢字を使い分けて読んでいる私たちにとって非常に読みづらく感じます。
また、日本語や中国語は漢字を使っているため少ない文字数で意味を伝えることが可能ですが、タイ語の場合、日本語に比べるとどうしても文章が長くなってしまいます。
その為、ウェブサイトやパンフレットなどの広告文で文字制限がある場合は端的に表現するなど工夫が必要になります。
また、句読点が無いため改行の位置にも注意しておかないといけません。改行位置を間違えてしまうと単語が途中で切れてしまうことになり、意味が変わってしまう場合があります。
画像の通り単語の途中で改行をしてしまうと文章として成り立たなくなります
パンフレットなどを作製する際には出来上がった時点でタイ語を理解している人が最終チェックすることをお勧めいたします。
また、行間が狭すぎると声調記号や子音が見えなくなってしまいますので、必要以上に行間を狭くしないように気を付けてください。
行間を狭くしてしまうと上下の声調記号や子音が隠れてしまい文字として成り立たなくなるので注意が必要です
また、英単語について日本語の場合は、カタカナ表記をすることが多いですがタイ語の場合はそのまま英語表記をすることが一般的です。その方がタイ人にとっては伝わりやすい為です。
文語・口語・丁寧語について
タイ語には口語・文語で区別される単語が多くあります。
Google翻訳など翻訳サイトやアプリ泣かせの言語であり、残念ながらタイ語に関しては、現在もまたこれからも翻訳サイトやアプリの精度は低いままだと言えます。
例として、某翻訳アプリで空港と調べるとสนามบิน(サナームビン)と表示されます。
口語では正解ではありますが、文語の場合はท่าอากาศยาน(ターンアカーヤーン)となります。
実際、空港内も空港へ向かう道路標識もท่าอากาศยานと記載されています。
また、日本語には「尊敬語」「謙譲語」があり、食べるという言葉はそれぞれ「召し上がる」「いただく」の様に表現方法が変わります。
タイ語の場合、語尾に男性ならクラッ(プ)ครับ/女性ならカーค่ะとつけると丁寧語になりますが、時に動詞自体が変化する言葉もあります。
例えば、食べるという言葉は「ギンกิน」、少し丁寧な表現になると「ターンทาน」という表現になります。
それ以上に丁寧な言葉で「ラッ(プ)プラターンรับประทาน」という言い回しがあり、お店のスタッフがお客さんを接客する際に使われます。(更に王様に対して使う敬語(王語)も存在します。)
日本語の場合、ウェブサイトや文章内でもお召し上がりください。と、出来るだけ丁寧な言葉で表現しますが、タイ語の場合、丁寧語(動詞)は口語では使いますが、文章としてはあまり使いません。
タイ語の場合は逆で、文語の場合は通常「ギンกิน」を使用します。「ラッ(プ)プラターンรับประทาน」を使用してしまうと逆に丁寧すぎて不自然な文章になってしまうことになります。
翻訳をする際には、こういった事についても注意する必要があります。
タイ語翻訳・通訳についてのまとめ・・・
この様にタイ語は英語や他の言語に比べ、習得が難しいことと、欧米言語に比べてまだタイ語を習得しようとする日本人が少ないため、高レベルのタイ語通訳・翻訳者を探すことは難しいのが現状です。
また安易に翻訳サイト・アプリを使用すると誤訳されてしまうことが多い言語なので注意が必要です。
タイ語を翻訳・通訳する際には翻訳サイトや翻訳機に頼らず、タイ語に理解のある翻訳会社を選ぶことをおすすめいたします。